「Wiiの間」の有料動画配信は成功するか

任天堂から「Wiiの間」というWii上で動画配信を行うサービスを開始されたようです。
Wiiの間」は、Wii上で利用することが出来るチャンネルの一つで、視聴した番組に対して、評価をつけることが出来るサービスです。

Wiiの間は、キー局から番組提供を受けるようです。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20090518/330172/
放送事業者に対しては事前に構想を説明し,在京キー局5局からWiiの間チャンネル用に番組提供を受けた。「これはWiiの間チャンネルがテレビの敵ではないことを認めてもらったからだと思う」(岩田氏)とし,テレビ放送とはライバル関係にないことを強調した。

この部分を読んで、真っ先にAppleiTunes Music Storeを思い浮かべました。動画配信というサービスのポイントの1つにコンテンツの充実が挙げられます。優良なコンテンツがなければ成功はありえないです。iTunes Music Storeは、サービスの提供に当たり、ジョブズが自ら音楽会社を口説きに行ったそうです。口説き落とすことが出来たのは、ジョブズ自身が音楽が好きであったことと、コピーを防止する仕組みを整備していたため、iTunes Music Storeを敵ではないことを認めてもらえたことから様々な音楽を配信することが出来るようになったのです。

今回、任天堂が「Wiiの間」を始めるに当たり、テレビ局に岩田社長自ら口説きに周ったかどうかはわからないですが、テレビ局が納得できるビジョンを示したのでしょう。今後、テレビ局からどの程度のコンテンツを提供してもらえるか「Wiiの間」が成功するかの大きなポイントとなるでしょう。

動画配信といえば、真っ先に思いつくのはYouTubeやニコ動です。いずれも基本は無料で動画配信を行っています。「Wiiの間」は広告モデルによる無料サービスとのことですが、今後は有料コンテンツの配信も視野に入れているようです。

有料でユーザからコンテンツを購入してもらうことが出来るのか気になるところです。これまで有料でコンテンツ配信するサービスは色々ありましたがあまり成功しているとは思えません。日本ではテレビ番組を見るのに1本当たりに対して、お金を払う文化がないので抵抗が強いからだと思います。

成功するには面白いコンテンツを提供することはもちろんのこと、ユーザがお金を払う文化を植えつけることが出来るかがポイントとなります。

ただ、Wiiでは既にインターネットからゲームを提供するWiiウェアファミコンなどのなつかしのゲームが楽しめるバーチャルコンソールなどが一定の成果を挙げています。Wiiウェアバーチャルコンソールは、Wiiポイントを使って購入することが出来ます。

Wiiポイントは、ゲーム店さんやコンビニなどで販売している専用のプリペイドカードを購入することで交換することが出来ます。そのほかにはクレジットカードや携帯を使用して購入することが出来ます。

Wiiポイントは、プリペイドカードを購入すればよいので、子供でも気軽に手に入れることが出来ます。普段、携帯などの課金にすら敏感なぼくでさえ、先日、バーチャルコンソールで提供されているマリオ3を懐かしくて買ってしまいました。500円なり。

通常はいくら値段が安くても課金自体や手続きの手間に抵抗感があるので、1円ですら払ってもらうのが大変です。0円と1円の壁は厚いのです。

Wiiは既に課金する仕組みを確立しています。「Wiiの間」はこれまでのWiiウェアバーチャルコンソールで培ってきた下地があるので、魅力的なコンテンツを提供することが出来れば、これまで大成功を収めたサービスがなかった有料動画配信という分野で成功する可能性は十分にあるのではないでしょうか。今後も「Wiiの間」には要注目です。


# 任天堂の岩田社長はプログラマ出身なのでなんか親近感があります。
# http://www.1101.com/president/iwata-index.html